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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

症状・病気について

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

慢性閉塞性肺疾患はCOPD (Chronic Obstructive Pulmonary Disease )と呼ばれており、 タバコなどの有害な物質を吸い込むことによって、気管支や肺に障害が生じる病気です。その結果、呼吸がしにくくなり、息切れが起こります。この病気は喫煙と深い関わりがあり、ヘビースモーカーに多い病気です。また、受動喫煙によっても起こります。

以前は「肺気腫」と「慢性気管支炎」に分けられていた病気をまとめてCOPD と呼ぶようになりました。日本人の40歳以上の10人に一人は、COPDと推定されており、肺の生活習慣病ともいわれております。2020年の厚生労働省の統計によると、COPDの死亡者数はおよそ1万6千人、死因順位も10位になっており、身近な病気と言えます。喫煙歴があり40歳以上の方は肺機能検査を受けることをおすすめします。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、別名タバコ病と言われており、喫煙者の15~20%がCOPDを発症し、COPDの原因の90%以上は喫煙といわれています。

タバコなどに含まれる有害化学物質を長年吸い込むことで、気管支に慢性的な炎症が生じたり、慢性的な咳や痰の症状が出現し、徐々に気管支が細くなって空気の流れが悪くなります。肺の奥にありぶどうの房の様な袋である肺胞(はいほう)がタバコによって破壊されることによって、大きな空洞となってしまう肺気腫という状態になると、酸素を取り込む力や二酸化炭素を排出する力が弱まり、呼吸機能が低下してしまいます。このような状態になってしまうと、治療をしても元に戻ることはありません。喫煙開始の年齢が若いほど、また1日の喫煙本数が多いほどCOPDになりやすく、進行しやすいと言われています。

タバコ以外でも大気汚染、受動喫煙、職業上の粉塵や化学物質への暴露、遺伝的要因でも引き起こすとされています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状

長期間に渡る喫煙歴があり、慢性的な咳や痰、動作時の呼吸困難などの症状があればCOPDが疑われます。COPDになると、風邪をひいているわけでもないのに咳や痰が出ます。

階段の上り下りなど、少しの動作で息切れがする、呼吸をする時にヒューヒュー音がする、前かがみの動作は息苦しくなる、咳が続いて眠れないなどの症状が認められます。

COPDは時間をかけて悪化していくので慢性的に咳や痰が出る症状があったとしても、ご自身で自覚される方は少なく、検査で指摘されて受診されます。進行すると呼吸困難になり、日常生活に支障が出ます。重症になると全身症状が出る場合もあります。肺機能検査はコロナ禍では行っていないところが多いため、少しでも気になったら、早めの受診、禁煙を心がけましょう。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療

まず、肺の状態を把握するために、胸部X線検査や CT 検査を行ないます。確定診断にはスパイロ検査という呼吸機能検査を行い、肺活量と息を吐いた時の空気の通り具合を調べます。測定用のマウスピースをくわえた状態で、いっぱいに吸った息をできるだけ速く吐くという検査です。気道が狭くなっている閉塞性障害を確認し、さらにその他の閉塞性疾患を除外するとCOPDと診断されます。

治療の一番の有効なものは禁煙です。禁煙することにより、肺機能の低下速度を抑えるとともに、他の病気にかかるリスクを減らすことが出来ます。その他、薬物療法、呼吸リハビリテーション、酸素療法、栄養管理、運動療法を行い、症状や生活の質を改善、病状や体力の悪化を予防します。

薬物治療では、気管支拡張薬や抗炎症薬の吸入、去痰剤等を使用し、また栄養管理などを組み合わせて治療を行ないます。重症化したい際は、在宅酸素療法や、小型の人工呼吸器を自宅で使用することもあります。

COPDは、残念ながら治ることはありません。重症化する前に禁煙と治療が必要になります。気になる症状がある方は早めにご相談ください。