048-441-1211

〒335-0011 戸田市下戸田2-7-10

骨折

症状・病気について

骨折

骨折

骨折とは、骨に強い外力が加わって起こる外傷性骨折、比較的弱い外力が繰り返し加わって起こる疲労骨折、病気の影響で弱くなった骨に通常なら骨折しないような弱い外力が加わって起こる病的骨折があります。特に多い骨折について、お伝えさせていただきます。

大腿骨頚部・転子部骨折

この部位の骨折は高齢者に多く、日本でもでも年間10数万人が受傷し、多くの方が骨折をきっかけに寝たきりになっています。特に高齢女性は多く、骨粗鬆症などで骨がもろい状態で起こりやすくなります。この部位の骨折は転倒により起こりやすく、つまずく、小さな段差で転ぶなどでおこります。また、いつの間にか骨折していたということも3%~5%見られます。

骨折した直後から脚の付け根の痛みと腫れがあり、歩くことができなくなります。

治療としては、手術と保存療法があります。

高齢者の場合は、全身状態が許せば手術によって早期に痛みをとり、リハビリを開始することが望ましいと考えられています。

手術としては、以下の方法があります。

人工骨頭置換術:大腿骨頚部骨折によって損傷した大腿骨頭を切除して、金属やセラミック、ポリエチレンなどで製作された人工の骨頭に付け替えます。比較的若い人や高齢でも活動量の多い人に行います。

骨接合術:骨折している部分を金属などの部品で固定してつなぎ合わせる手術です。固定する部品には、2〜3本のスクリュー(ネジ)やピンなどを用い、骨折の状態によって適切な固定法を選択します。人工骨頭置換術と比べて手術時間も短く、患者さんの身体的負担が少ないですが、偽関節(骨折部の骨が癒合しない状態)や骨頭壊死などの合併症のリスクがあります。

腰椎圧迫骨折

腰椎圧迫骨折は、臀部に衝撃を受けることによって、「腰椎」の骨がつぶれてしまう病気です。 骨粗しょう症の高齢者に多く見られ、後ろに倒れて尻もちをつくだけでもつぶれてしまう恐れがあります。骨折と言ってもポキッと折れるのではなく、カルメ焼きをクシャとつぶした感じです。

治療は、保存療法と手術がありますが、保存療法が基本となっています。保存療法では、コルセットなどで腰部を固定し、安静を心がけていると、痛みは徐々に減っていきます。軽度の場合は3-4週間ほどで回復します。

手術では、「椎体形成術」と呼ばれる手術が行われます。保存療法で痛みの取れない場合や骨折部が偽関節様になってしまった場合が適しています。

上腕骨近位部骨折

上腕骨近位端骨折とは、上腕骨の肩関節に近い部分に生じた骨折です。転倒などで手を伸ばしてついたり、直接肩を打ったりして発症する上腕骨の肩に近い部分の骨折です。交通事故やスポーツなどがきっかけとなることもあります。特に高齢者が多く、女性で骨粗鬆症のある人に多発します。

骨折全体の中で占める割合としては多く、約5%あると言われてます。

受傷直後から、肩の強い痛みが出て、肩を動かすことは出来ません。着替えや洗髪動作は困難となり、場合によっては神経麻痺を合併し、腕の感覚がなくなったり、指先に力が入らなくなったりします。

治療の第一選択は、保存的治療ですが、骨折の程度が強く、骨のずれが大きい状況では、手術療法が選択されます。その後、痛みに合わせて徐々に肩関節可動域訓練、筋力訓練を始めます。

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は、高齢者の転倒で多い骨折の一つになります。上腕骨近位部骨折と同様に骨粗鬆症のある方は骨折のリスクが大きくなり、小さいエネルギーでも骨折してしまうことが多くあります。

前腕の2本の骨のうちの橈骨(とうこつ)が手首のところ(遠位端)で折れる骨折です。前腕のもう1本の骨である尺骨の先端や、その手前の部分が同時に折れる場合もあります。手首に強い痛み、短時間で腫れが生じます。

治療は、骨折にほとんどズレのない場合は、徒手による整復を行ない、ギプス固定を約4週間行います。ギプス固定中に再び転位してしまった場合や不安定性のある骨折では手術が行われることもあります。